
ママ
健診の時に、発達が遅れで、
療育を勧められたんだけど・・・。
言葉が伸びる療育って、あるのかな?

言葉を伸ばしたいのですね。
言葉そのものにアプローチする
言語訓練だけだと、伸びにくいかもしれません!
実は、言葉の成長には
「言葉そのもの」よりも
大切な土台があります。
・言葉を伸ばすためには、言葉だけでなく身体や心、コミュニケーションなど、他の側面の成長にも総合的にアプローチすることが成長の近道
・言葉を伸ばすには、土台となる力をつけることが大切。(ことばのビル)
幼児期の療育相談でいちばん多い悩みは「言葉の遅れ」

幼児の児童発達管理責任者として、
ご家族のお悩みを伺っていく中で、
おおむね8割以上の方が、
相談したい点として“言葉の遅れ”を
あげられていました。
その理由を伺うと、
・市で実施されている検診などで
言葉の遅れについて話された。
・お子さんと関わる中で、
言葉の遅れを感じる
というお気持ちを話されていました。
育児書などにも
「◯歳で、◯語文を話します」
というように書かれているなど、
お子さんの成長の中で、
取り上げられやすい“言葉”。
「他のお子さんは
すごくしゃべっているのに・・・。」
と他のお子さんと比較して、
辛い気持ちになるなんてことも
あるかもしれません。
「どんな療育にいったら、
どんな訓練をしたら、
言葉が伸びますか?」
多くのご家族から
こんな質問をお受けします。
残念ながら、
この訓練で、この療育で
劇的に言葉が話せるようになる!
という特効薬的な方法は、
基本的にはありません。
ただ1つ言えることは、こんなことです。
言葉だけでなく、身体や心など、
お子さんの発達の状態を
丁寧に捉え、
様々な経験やあそびを通して、
総合的にお子さんの成長を促す事が言葉の成長の近道となることが多い
実際に関わって見えてくる、言葉以外の大切な育ち

言葉の遅れの相談を希望されたお子さんでも
実際にご様子を見させていただくと、
言葉の遅れ以外にも、
“誰かに伝えたい”という気持ちがまだ育っておらず、人と関わることが難しいケース、
情緒が不安定でいつも泣いているケース
などなど
言葉の遅れ以外に、
様々な点が見えてくることが多いです。
こうした点を配慮しながら、
総合的にアプローチをしていくことで
言葉が伸びていったというケースもとても多いです。
人との関わりが広がり、言葉が育っていったAくん

トミカが大好きなAくん。
お母さんは、Aくんの言葉の遅れを心配し、言語訓練を希望していました。
ご様子を見ると、確かにAくんは
言葉をあまり発さず、常にトミカで
一人あそびをしていました。
Aくんは一人遊びが上手でしたが、
他人にあまり関心を向ける様子が
ありませんでした。
そこで、まずは
人と関わることが楽しいという“気持ち” (対人関係)を育てることを念頭に置き、
お母さんと一緒に、Aくんと大人が一緒に楽しめる遊びを探っていきました。
あそびを繰り返していくうちに、
「もう1回」「ちょうだい」
という要求の言葉での表現が広がっていき、
困ったことがあると、
お母さんに助けてほしい気持ちを伝えられるようになってきました。

このAくんの事例を見て、
「言語訓練しなくていいの?」
「ただ、遊んでいるだけで成長するの?」
と不安に思われた方もいらっしゃったかもしれません。
今回の事例では、
人との関わりや楽しみの共有という視点をまず大切にしたことで、
子供の気持ちを育て、
対人関係の成長へとつながり、
“言葉の成長”に繋がっていきました。
一見、言葉に関係ないかも!と思う
あそびの経験も
実は、お子さんの成長に繋がっている、近道となっているという点も多くあると、
様々な事例に関わる中で感じています。
子どもの発達は「言葉」だけでは育たない
お子さんの発達を見ていく中で、
身体
心(情緒)
言葉
コミュニケーション(社会性)など
色々な項目があると思いますが、
どこか1つの項目だけ訓練したら伸びる
ということは、少ないです。
特に幼児期は、様々な項目に対して
総合的にアプローチして、
それぞれの項目で総合的に成長を促していくことが大切です。
総合的な成長の中で、今気になっている項目が伸びていくことも多くあります。
たとえば、お子さんによっては、
言葉を伸ばすために、
身体の成長(運動あそびなど)が
近道かもしれないし、
コミュニケーションの成長が、
心の成長につながり、
言葉が増えていくかもしれない。
お子さんによって、近道は違います。

近道を知るためには、
お子さんの強みや発達の状況を
知ることが大切だと感じます。
言葉の成長を支える土台|「ことばのビル」という考え方

とは言いつつも、
言葉の成長を願う気持ち、
すごくわかります。
言葉の成長を考える上で、
言語聴覚士である中川信子さんは、
言葉の成長を
「ことばのビル」
とたとえて表現しています。
「規則正しい生活リズムをつくること」
「身体の発達にそった十分な運動」
「身辺自立で子どもの自分でやりたい気持ちを育てる」
このような力がビルの低層階にあり、
この低層階が土台となって、
上層階に”言葉の成長”があると
話されています。
お子さんの成長に合わせて、
土台をしっかり作っていくことが大切です。
参考文献:
中川信子著「0〜4歳ことばと心を豊かに育てる 子どもの発達に合わせた お母さんの語りかけ」株式会社PHP研究所.2015
まとめ:言葉を伸ばしたいときこそ、全体の育ちを大切に
幼児療育のお悩みNo.1である
「言葉の遅れ」ですが、
言語訓練をひたすら行うよりも、
一見関係ないと思われる
“身体”“心”“コミュニケーション”など
他の側面の成長が、
言葉の成長への近道となることが多いです。
すぐに成果がでる特効薬的なものではありませんが、必ず積み重なっていきます。
いっしょにお子さんにとってより
良い関わりや工夫、
あそびなどを考えて行きましょう。



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